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工務店経営者のための広告宣伝ガイド:経費の中で広告宣伝費用に使えるのはどのくらい?

工務店の経営を安定させるには、優れた技術や商品力だけでなく、効果的な広告宣伝が不可欠です。しかし、広告費の使い方や経営とのバランスは難しい問題で、多くの経営者が悩んでしまう課題ではないでしょうか?そこで今回は、広告宣伝費の使い方や配分、効果的な広告宣伝のアイディア、そして費用節約の方法について住宅の購入プロセスを考慮に加えながらわかりやすく解説します。

目次

広告宣伝費の使い方のコツ

広告宣伝費の使い方について、最初に検討する点について具体的に紹介します。

広告宣伝費の割合を決めるポイント

広告宣伝費の割合は、売上総額の3%から5%が目安と言われています。仮に年間の売上が1億円とすると、広告宣伝費を300万円~500万円の範囲でおさめることが一般的です。この金額の中で、主要なターゲット層にアプローチするための効果的な手法を選んでいくことになります。ただし、事業の規模や競合相手の状況によって適切な割合は異なってきます。

利益を最大化するための費用の使い方

広告宣伝費の使い方において重要なのは、投資対効果(ROI)です。広告手法の中で、多くの見込み客からの反響を得て、実際に契約に繋がる場合、その手法は効果的と言えます。ただし、住宅業界における広告宣伝は、商品の性質上、今すぐ契約にならない長期検討客の関心を集めることも重要です。よって、ROIを考慮するのは難しい部分もありますが、今すぐ客と長期検討客、それぞれにとって効果的な広告媒体を選ぶよう心掛けましょう。

競合他社との比較から適切な費用配分を考える

競合他社の広告活動を調査し、どんな媒体にどれくらいの費用を配分しているかを把握することは重要です。これは、自社の広告宣伝費の配分を考える際の参考となります。ただし、他社の成功例を真似する必要はありません。参考程度にして、自社の強みを生かした独自の戦略を考えていきましょう。

広告宣伝戦略のポイント

効果的な広告宣伝戦略を展開するためには、下記のようなポイントに注意することが重要です。

ターゲットを明確にする

広告宣伝戦略において、ターゲットを明確に絞ることは最も重要です。ターゲット層のニーズを的確に把握し、そこに焦点を当てることで、効果のあがる広告に集中して広告宣伝費用を割くことも大切です。自社の強みや商品の特徴に合致するターゲットをペルソナとして設定して、ペルソナに最も届きやすい広告媒体やアピール内容を考えると効果的です。

SNSを活用する

SNSの活用は現代の顧客獲得に欠かせない手法です。他の広告媒体を利用するよりもコストを抑えながら、顧客に対して直接アピールできます。反応をダイレクトに受け取れることやコメントやメッセージを通じてリアルタイムでコミュニケーションを図れることも大きな魅力です。また、長期的なファン作りに適していることが大きなメリットです。

具体的には、FacebookやInstagramを活用して、施工事例やよくある質問について回答する、DIYのアイディアなどを発信したり、Twitterでリアルタイムに進行中の工事の様子をシェアしたりといった内容が考えられます。

効果測定やデータ分析を基にして、コンテンツの見直しを繰り返しながら、投稿のタイミングや投稿内容の最適化を心掛けましょう。住宅の豆知識やキャンペーンの案内、地域のお役立ち情報などターゲットの関心を引く情報を提供して、顧客のファン化を進めましょう。SNSで集客した顧客は、WEBサイトへの流入、または、問い合わせや見学予約など何らかのアクションを起こさせることが目的なので、WEBサイトを制作し、サイト内のコンテンツの充実を図ることや更新を怠らないことも重要です。

地域コミュニティを活用する

地域に密着している業務形態は工務店の大きな強みです。地域のイベントやコミュニティ活動に参加し、地元の顧客とのつながりを強化することで、信頼関係を築くことができます。すぐに効果が出るわけではありませんが、「住宅について困ったことがあったら、気軽に相談できる会社」として地域に溶け込むことは、長期的な視点で見ると重要なポイントとなるので、ある程度広告宣伝費を捻出しましょう

地元の商店街や町内会のイベントに出展して自社の存在を溶け込ませること、小学校や幼稚園で保護者向けのワークショップを開催すること、コミュニティセンターで無料相談会や住まいのお困りごとの相談会やリフォームセミナーを開いたり、チラシを置いてもらうのも効果的です。

その土地ならではのニーズを掴むこともできるので、競合他社には真似できない切り口のサービスを提供することも可能となります。また、地域のフリーペーパーにイベント情報やお役立ちコラムを掲載することも信頼感をアップさせる方法です。

顧客の口コミや評判を大切にする

顧客の口コミや評判は工務店の信頼度を高める重要な要素です。顧客の満足度を高めるためには、丁寧な施工や良好なコミュニケーションが欠かせません。

引き渡し後の顧客にアンケートを実施し、満足度や改善点を把握しましょう。また、定期的にオーナー宅訪問をし、実際に住んでみてからの感想を直接聞く方法もあります。引き渡し済みの顧客が満足している点の共有を受けると、契約前の顧客や検討中の顧客の安心へつながるため積極的な活用がおススメです。

また、ご指摘いただいた点について、改善のためにどのような取組を行ったかを発表すると、誠実な印象を与えます。顧客からのフィードバックを通じて、必要とされるサービスを提供することで顧客からの評価を高めることができます。WEBサイトで活用するほか、SNSで定期的に配信するコンテンツとするなどの方法もあります。顧客の口コミは、費用が発生しない上、どんな広告媒体よりも大きな影響力を持っています。引渡し済顧客を定期的にフォローして、コミュニケーションをとり続けることは重要なポイントです。

広告宣伝費用節約のためのポイント

広告宣伝費を節約しながら効率よく使うためのポイントを紹介します。

お金のムダを省くポイント

広告費の無駄使いを避けるには、閲覧率の高い媒体に集中して費用を掛けることも効果的です。ターゲット層になじみのあるSNSや見込み客が閲覧することの多いまとめサイトに絞り込むことで、効率があがりやすくなります。

具体的には、子育て世代であればInstagramやX(旧:Twitter)を子どもの就寝後の21時~23時に閲覧する割合が高く、40代~50代では、Facebookを20時~22時、または、仕事の昼休みである12時~13時の利用率が高くなるといえます。SNSは、常に新しい情報であふれているので、ターゲットの目に入りやすいタイミングや媒体を狙うかによって、閲覧数や反響数は大きく変わってくることでしょう。また、地域のインフルエンサーや専門家と連携して、自社の商品や情報を広く紹介するのも、信頼性アップにつながります。

予算を有効活用するコツ

限られた予算を最大限に活用するためには、キャンペーンの期間やタイミングを考慮に入れることが重要です。年末年始やお盆休みなど家族が集まる機会や、新しい生活を始める春に向けて住まいづくりを考え始める秋口には、住宅に対する関心が高まり、よく話題に上る傾向があります。これらのタイミングに合わせて広告活動を展開することで、早期の契約につながる可能性をアップすることができます。

ROI(投資対効果)の最大化とムダの削減

広告宣伝活動の成果は定期的に数値化して、投資対効果の確認が必須です。ROIを最大化させるには、効果の薄い広告から撤退し、効果の高い広告を手厚くするなど、随時見直しが必要です。

長期的な視点で費用節約を考える

住宅購入には長い検討期間を要するため、将来的な成長を考える際には、自社のファンを増やすことが重要です。その理由として、顧客が自社を認知してから実際に住宅を新築するまでには数年かかる場合も多いことが挙げられます。そのため、地域に溶け込んで身近な存在となることや、将来的に建築タイミングが来た時に、まず自社へ相談や依頼のアクションを起こすファンを増やしていくための広告戦略も重要です。こういった取り組みは、ROIの観点から数値を分析すると無駄が多いと判定されてしまう部分なので、広告宣伝費の一部をROIの対象から外して、こういった活動に充てる方法もあります。

まとめ

工務店の広告宣伝戦略や費用削減のアイディアについて解説しました。適切な広告宣伝費の配分、効果的なアイディアの活用を行うと、限られた費用を最大限に活用することができます。本記事の内容を活用して、今後の広告宣伝活動にお役立ていただければ幸いです。

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