現代のデジタル社会において、営業活動におけるWEBの重要性はますます高まっています。しかし、WEB上には膨大な情報があふれ、価値ある情報と誤解を招く情報が入り交じっています。そのため、一部の顧客層では、WEBで検索した情報に疑念を抱く傾向があります。特に高額な取引となる住宅やリフォーム業界においては、チラシやポスターなど紙媒体による広告の方が信頼できると考える割合も高いため、WEB による集客戦力と連動させることで高い効果が見込めます。
チラシを通じて顧客を集めた後、見学会や相談会へ参加してもらったり、資料を送付するような従来の営業手法に加え、チラシからWEBサイトにアクセスさせる仕掛けづくりが重要です。そこで、今回はチラシを活用し、顧客をWEBに誘導する効果的な戦略をご紹介します。
WEB中心の時代におけるチラシの重要性

顧客にとって、チラシが自社を認知する最初の接点となるケースもあります。紙媒体は手元に残るため、その物理的な存在感は誰にとっても信頼感をもたらします。特に、WEBに対する不安を抱く顧客層にとって、チラシは安心感を与え、その後のアクションを円滑に促す重要なツールです。
具体的には、リフォーム前後の写真を掲載したチラシは、自宅をリフォームしたイメージを喚起させるほか、実際の施工例を見せることで信頼感を高める効果があります。また、イベント情報について、紙媒体であれば室内に貼るなどの方法で誰にでも保管しやすいので、日程が先の場合でも忘れることなく参加を促すこともできます。このように、チラシは単なる情報提供以上に、業者と顧客との信頼関係を築くほか、イベントへの誘致において重要な役割を果たします。
チラシ制作のポイント
チラシの反応率は一般的に0.04%~0.3%と言われていますが、制作の内容や配布のタイミングによっては、この反応率を大幅にアップさせることが可能です。そこで、チラシ制作時に抑えるべきポイントを解説します。
ターゲットを明確にする
チラシを届けたいターゲットを明確にしましょう。新聞折込であれば、配布地域の特性やどんな世代が多く住む地域なのかを事前にリサーチすることが重要です。ポスティングの場合はさらにターゲットを絞り込むことが可能です。子育て世帯向けのリフォーム、バリアフリーリフォーム、住宅の断熱リフォーム、外壁や屋根の点検など、その地域の住宅の築年数や住民の家族構成や年齢層を踏まえながら、予測されるニーズに合わせた内容としましょう。
魅力的なデザイン
きちんと手を掛けた魅力的なデザインは信頼感が高まります。社内で製作する場合はデザインソフトを活用するなど見やすく伝わりやすいデザインとしましょう。
また、プロのデザイナーに依頼する方法もあります。数種類のひな形を作成してもらえば、情報を入れ替えるだけで効果的なチラシを継続して製作可能です。
情報を取捨選択する
チラシの内容は、伝えたいリフォーム工事の内容や、リフォームによって得られるメリットを分かりやすく伝えましょう。価格やキャンペーン特典など具体的な情報を整理して明確に載せると信頼感が高まります。
ただし、あれもこれもと情報を載せすぎてしまうと、一番伝えたい情報がぼやけてしまう場合もあります。伝えたい情報を絞って余白を残した紙面とすることも大切です。
WEBに抵抗がある顧客へ安心感を与えるチラシ活用術

WEBからの情報に抵抗がある顧客であっても、チラシを入口とすることで安心感を与えることが可能です。
実績やお客様の声を掲載する
これまでの施工実績や顧客からのアンケートの集計結果や口コミなどの具体例を挙げると自社商品や自社の姿勢に対する信頼度が高まります。
住まいづくり情報やお役立ちコンテンツを提供する
リフォーム情報だけではなく、住まいのメンテナンスやDIYに役立つ情報を載せることも効果的です。売上だけを伸ばすことだけを目的とせず、顧客ファーストな姿勢を示すことで誠実な印象を与えます。
会社の信頼性を示す証明を掲載
自社で取得している認証番号や受賞歴といった、信頼できる第三者機関からの評価は顧客の不安を軽減する効果があるので積極的にアピールしましょう。数が多い場合は一覧表などでまとめて記載しましょう。
リフォーム後の保証やアフターサービスの内容を明確にする
リフォーム後の保証内容やアフターサービスを簡潔に記載しましょう。これは業者選び中の顧客にとって非常に重要なポイントです。しかし、チラシ上で詳しく説明したい想いもあることと思いますが、分量が増えすぎると読み手の興味が薄れてしまいます。保証期間や点検の実施の有無など要点を簡潔に示し、具体例や詳細な説明はWEBサイトで確認できるようにしましょう。これにより顧客はリフォーム依頼を前向きに検討するきっかけとなります。
無料相談や見積作成の案内についての注意点
無料相談や簡易見積が可能なことを明確に伝えると、気軽な相談へ一歩踏み出しやすくなります。ただし、無理に契約を迫るような印象を与えないように心掛けましょう。
チラシとWEBの連動戦略

チラシは大変有効な広告手段ですが、WEBと連動させることでさらに効果を高めることができます。
WEBサイトのQRコードを載せる
チラシにWEBへのQRコードを掲載しましょう。興味を持った顧客は簡単にWEBサイトにアクセスできるため、スムーズに誘導できます。リフォームの施工前後の写真やお客様の声をWEBサイトで紹介している場合も閲覧を促しましょう。
お役立ちコンテンツを公開して、QRコードを載せる
リフォームのよくある疑問に答えたり、リフォームの進め方を紹介したりするYouTubeチャンネルを開設して、施工エリアにとらわれない情報を定期的に更新すると、顧客に有益な情報を提供できます。自社が専門的な知見を持っていることも、より明確に伝えられるので納得を得てから次のステップへ進めることが可能です
特別キャンペーンの案内
WEBサイトでの限定キャンペーンや割引情報をチラシで紹介しましょう。特典への期待感は、WEBサイトへの誘導を促進します。例えば、チラシのQRコードのみからアクセスできるような割引クーポンを設定するなど特別感を演出することも一案です。
まずはLP(ランディングページ)へアクセスさせる
チラシのQRコードから最初に誘導するページは、最も伝えたい情報を一覧できるLPにすることもおすすめです。どんなにわかりやすいWEBサイトでも、WEBに不慣れな顧客にとっては、トップページから各々のリンク先を確認することに苦手意識を払拭できない場合もあります。LPであれば、紙媒体の1枚の資料と同じように読み進めていけるので離脱を防ぐ効果が期待できます。
施工事例の紹介
実際のリフォーム事例を掲載して、信頼感を高めましょう。チラシに掲載した施工事例のさらに詳しい情報について、間取りやオーナーがリフォームに至ったきっかけや経緯など、チラシと連動する内容も興味を引きやすいのでおすすめです。同様に顧客の口コミをチラシに掲載し、施工写真はWEBで確認させる方法もあります。一つのリフォーム事例の詳細な内容やリフォームに至るストーリーを知って共感を得られると、リアリティを感じさせられます。
オンライン相談会や見学会の案内
オンラインイベントの情報をチラシで紹介しましょう。日程や内容を明確に伝えることで、顧客が参加しやすくなります。また、特典の追加は、参加意欲が高まる一因ともなりえます。
SNSの連携や口コミの活用
チラシ内でSNSのフォロー用QRコードやアンケートサイトのURLを掲載し、顧客とのコミュニケーションを活性化させるのも効果的です。特にLINEは、他のSNSと比較して幅広い世代に利用されており、使いやすいツールとして多くの顧客に支持されています。WEB上での利点として、顧客は時間に捉われず質問を入力しておいて、営業時間内に回答されるのを待つこともできます。何でも気軽に相談や質問できる窓口となることで、リフォーム依頼や問い合わせを増やせる可能性があります。
地元密着ならではのチラシのメリット

地元密着であることを最大限に生かしたチラシの利用方法について紹介します。
ターゲット層に確実に届く配布方法を厳選できる
地元密着のアプローチでは、地域の特性や住民のニーズを的確に把握し、ターゲットを絞りやすくなります。これにより、チラシの効果的な配布場所や配布方法を選定できます。
イベントやコミュニティ活動を活用した配布戦略
地域のイベントやコミュニティセンターでの活動への参加によって、顧客と直接交流する機会を増やせます。親しみやすい状況で配布されたチラシは、内容に目を通す可能性が高まります。
地域のニーズに応える柔軟性
地元密着ならではの柔軟性で迅速かつ適切な対応が可能です。例えば、地域で頻発する暴風雨被害に対応するため、DIYで行える点検内容を紹介し、必要な場合は自社への依頼を案内することで、顧客の生活に直結する鮮度の高いチラシを作成できます。また、地域独自のニーズやトレンドにも敏感に対応できるのは、地元に根ざした業者ならではの強みです。これらの特性を活かし、独自性のある広告戦略を検討しましょう。
信頼感と親近感の築き方
地元の業者としての親近感は、地域の顧客にとって心強い存在です。長期的に住民との関係性を築ければ、将来的に安定して顧客を獲得し続けることも可能となるでしょう。
まとめ

リフォーム事業は他業種からの参入も相継いでいるため、ますます競争が激しくなると予想されます。しかし、チラシとWEBの連動戦略は、地域に密着したリフォーム業者にとって強力な集客手段です。特にWEBに対する不安を感じる顧客にとって、物理的なチラシが安心感を提供し、顧客と自社との信頼関係を築く助けとなります。この効果的な集客ツールを最大限活用することで、より幅広い顧客にサービスを提供できます。集客戦略を検討する際のヒントとなれれば幸いです。