コラム
打ち合わせは録音し、議事録と宿題を AI に拾わせます。さらに、その日のうちに期限を決め、次の手まで整理しておくのが私のやり方です。
人の記憶だけに頼らず、頭から抜けても仕組みでカバーできる状態をつくれば、営業は目の前のお客様との会話に集中しやすくなります。
結論:打ち合わせは録音し、宿題は AI に拾わせて期限つきで管理する
打ち合わせで大切なのは、きれいな議事録を作ることだけではありません。誰が、何を、いつまでに行うのかを明らかにし、次の行動につなげることです。
私はオンラインでも対面でも打ち合わせを録音し、音声を自動で文字起こししています。文字起こしとは、録音した会話を文章に変えることです。その内容を Claude Code に渡し、決まったことや宿題を整理します。
宿題には期限を付け、ダッシュボードとカレンダーで管理します。ダッシュボードは、タスクの状況を一覧で確認する画面です。
この流れを決めておけば、覚えておこうと気を張り続ける必要がありません。記憶ではなく、記録と仕組みで抜け漏れを防ぎます。
営業時代の工夫と限界:複写式の議事録シート
住宅営業をしていたころは、複写式の「議事録シート」に打ち合わせの内容を記録していました。打ち合わせ後にお客様へ控えを渡し、お互いが同じ内容を持つことで、「言った・言わない」を最低限なくすためです。
控えをその場で渡す方法は、認識をそろえるうえで役立っていました。一方で、仕組みの起点が自分のメモだけだったため、メモを書くこと自体を忘れると記録が残りません。
記憶を補うための議事録なのに、その議事録を書くことを記憶に頼っていたのです。書き忘れた打ち合わせでは、宿題の抜け漏れも多くありました。
いまのやり方:録音 → 文字起こし → その日のうちに振り分け
いまは、打ち合わせ中に細かなメモを取らず、まず会話に集中します。録音した内容は自動で文字起こしされ、Claude Code に渡ったあと、議事録やタスク、先方への依頼に振り分けられます。
流れを整理すると、次のとおりです。
| 段階 | 行うこと | 目的 |
|---|---|---|
| 打ち合わせ中 | 会話を録音し、お客様とのやり取りに集中する | 会話の内容を記録に残す |
| 打ち合わせのあと(AI) | 文字起こしから、要点・決定事項・宿題・質問と回答を整理する | 次に扱う情報を分ける |
| その日のうちに(人) | 内容を確認し、宿題に期限を付けて一覧とカレンダーで管理する | 次の行動を明確にする |
AI が整理した内容は、そのまま外へ出しません。お客様への連絡や送信といった最後のひと押しは、人が内容を確認して行います。これは、第1回の「AI にやらせないこと」でもお伝えした線引きです。
議事録は「決まったこと・保留・新しい要望・宿題」に分ける
文字起こしを長い文章のまま残しても、次に何をすべきかは見えにくいものです。そこで議事録は、結論を先に置いたうえで、「決まったこと」「保留」「新しい要望」「宿題」に分けます。
宿題は「誰が・何を・いつまでに」を一組にします。先方からの質問と、それに対する回答も分けておけば、返答が済んでいるのか、追加の確認が必要なのかを見直せます。
期限が会話に出ていない宿題は、AI に推測させません。「要確認」として残し、人が確認してから期限を決めます。録音の全文は議事録へ貼りつけず、必要なときに録音のリンクから確かめられる形にしています。
分類する目的は、記録を整えて見せることではありません。決まったことと未決定のことを分け、次の行動を迷わず選べるようにするためです。
準備が8割:前回の記録から、次の打ち合わせを設計する
打ち合わせは、始まってから考えるのではなく、前回の記録を使って事前に設計します。私は AI に打ち合わせの準備を頼み、前回の議事録、終わっていない宿題、期限が近い件を読み取らせています。
まとめるのは、「前回決まったこと」「終わっていない宿題と期限」「今回決めること・確かめること」です。これらを1枚の準備メモにし、先方へは送らず、自分が打ち合わせを進めるために使います。
前回の保留事項を確かめ、今回の着地点を決めておけば、当日はその答え合わせができます。打ち合わせの記録が、次の打ち合わせを設計する材料になる流れです。
あなたの会社に置き換えるなら:営業の打ち合わせを録音から始める
工務店の営業に置き換えるなら、まず一つの打ち合わせを録音するところから始めます。例えば、最初に「記録のために録音してよいですか」と伺い、了承を得てから録音します。
対象は、初回相談、プラン提案、仕様の打ち合わせ、契約前の確認などが考えられます。ただし、どの場面から始めるかは自社の営業の流れに合わせて選んでください。
打ち合わせごとに拾う宿題の例は、次のように整理できます。
| 打ち合わせ | 拾う宿題の例 | 次の準備で確かめること |
|---|---|---|
| 初回相談 | お客様へ渡す資料、お客様が次回までに確認すること | 希望や質問のうち、回答できていないことは何か |
| プラン提案 | 見積の準備、社内へ確認すること | 提案への要望や保留事項がどうなったか |
| 仕様の打ち合わせ | 必要な資料、見積への反映、双方が確認すること | 決まったことと未決定のことが分かれているか |
| 契約前 | 契約前に用意する資料、社内確認、お客様の宿題 | 契約前に確認すべきことが残っていないか |
始める手順は、次の5段階です。
- 録音の目的を伝え、お客様の了承を取る
- 打ち合わせを録音し、その場では会話に集中する
- 文字起こしを AI に渡し、議事録と宿題に分ける
- 人が内容を確認し、宿題に期限を付けて一覧とカレンダーへ入れる
- 次の打ち合わせ前に、前回の記録から1枚の準備メモを作る
AI への依頼では、出力の形をあらかじめ決めておくと運用しやすくなります。「要点」「決まったこと」「保留」「新しい要望」「宿題」「質問と回答」の順に分け、宿題には担当者・内容・期限を添える形です。
期限が会話の中にない場合は、「要確認」と出すようにします。空欄をもっともらしい日付で埋めるのではなく、人が判断する項目として残すためです。
次に、人が AI の整理結果と録音を照らし合わせます。特に、お客様へ渡す資料、見積に反映する内容、社内へ確認すること、お客様にお願いした確認事項が、誰の宿題なのかを見ます。
宿題は、担当する人が動ける単位まで分けます。例えば、「見積を進める」だけではなく、見積に必要な社内確認と、お客様に確かめる内容を分け、それぞれの担当者と期限を決める形です。
保留と宿題を混ぜないこともポイントです。まだ判断材料が足りず決められないことは保留に置き、誰かが確認して回答することは宿題にします。お客様側の宿題も同じ一覧に入れ、次回の準備メモで確認できるようにします。
確認が済んだら、宿題を一覧に置くだけで終わらせず、期限をカレンダーにも入れます。その日のうちに次の手が見える状態にしておくことで、打ち合わせ後の「あとで整理しよう」を減らせます。
次回の前には、前回決まったこと、残っている宿題、今回決めることを1枚にまとめます。記録と準備を一つの流れにすると、打ち合わせのたびに情報を探し直さずに済み、当日は確かめるべきことに集中できます。
最初から複数の打ち合わせに広げる必要はありません。まず一つの打ち合わせで、録音から期限管理、次回の準備までをつなげ、自社で続けられる流れに整えてみてください。
まとめ
打ち合わせは事前の準備が8割です。前回の記録をもとに今回決めることを整理し、打ち合わせそのものを設計します。
当日はその答え合わせをし、終わったら「決まったこと」「保留」「新しい要望」「宿題」に分けます。AI は記録を次の準備へつなぐ役割として使い、期限の判断やお客様への連絡は人が担います。
その日のうちに次の手を整理できれば、次の打ち手も早くなります。頭から抜けることを責めるのではなく、抜けても拾える仕組みをつくることが、営業の打ち合わせを支えます。
次回は、「決まった周期の仕事を1枚の予定表にして、AI に声をかけさせる」方法を取り上げます。繰り返す仕事を忘れずに進める仕組みをご紹介します。
この記事を書いた人

sawan株式会社 代表取締役
二級建築士
斉藤 伸義
住宅業界で10年、設計事務所・地域の工務店・ハウスメーカーの3社で、設計・営業・施工管理・広報を経験。累計200組以上のお客様の家づくりに携わる。
その後、建築業界専門の IT 会社で WEB ディレクターとして、約100社の工務店・ハウスメーカーのサイト制作と運用を担当。2023年に sawan を創業し、建設・住宅業界に特化した WEB マーケティングを支援している。いまは社内の仕事を AI で回す仕組みを自分で作りながら、その実際をこのコラムで発信している。
この記事の下書きは Claude Code(AI)が書き、内容の確認と最終の判断は代表が行っています。